施   設
読影端末モニター
読影端末モニターの配置に関しての提案
大田原赤十字病院放射線科部長
水沼仁孝

 PACS,フィルムレス化によりどこの読影室においても読影端末を用いた診断が色々な形で行われている。当科では2001年に東芝製Mini-PACS(図1右)を導入して救急のCT・一般撮影およびドック・健診の消化管造影と胸部写真の読影を開始,その後2002年10月,遠隔画像診断のための端末(図1左)が導入され,2003年12月にはもう 1 台が追加された(図2)。
 その間,モニター,キーボード,マウスの配置については,その度に色々工夫を行ってきた。
 今回当院ではフィルムレス化を行い,読影室はモニターだけとなった。その設置にあたり今のところもっとも快適と思われるモニター配置を行うことができたので紹介する。
 
   基本的にモニターは画像用が 2 Mの白黒(一部カラー)20inchモニター 2 台,テキスト用に17inchカラーモニター 1 台で,画像用モニターの下部に17inchモニターを配置する。
 当初,注腸造影読影用に白黒 4 面を縦置きで 1 列に配置したが,視線とマウスを動かす距離が長く実用的ではないと判断,すべて 2 面構成にした。
 これによりマウスの移動は円を描くような具合になり移動距離がもっとも短くなった。
 また,目の高さより下にモニターが並ぶように配置するため,ドライアイになり難いという利点もある(図3)。
 それぞれの端末は中心から120㎝ずつ離して設置しており,その間にはオーダリング端末(予算の関係上,同一モニター内に収めることができなかったので)と文献検索用インターネット端末を配置している。
 この間隔は隣からの圧迫感もなく,またコンタクトもとり易い距離であった(図4)。
 当科では放射線科医の肉体的負担を極力軽減するため,トランスクライバーによる報告書作成を行っているので読影はフィリップスのマイクをオンにして目の前に置き,マウスだけを握り画像から目を離さずに行うことができる(図5)。
 
   このモニター配置のヒントは2005年 2 月発行のRSNAニュース18pに掲載された新製品紹介記事である(図6)。
 当科では 8 月21日に設置した。
 その後,雑誌「新医療」8 月号に大阪日赤の先生が同様なモニター設置が快適であるとの記事が掲載されている。
 是非試されては,と考える。